かんげき日記

舞台や映画を見ます。劇団四季が多め。

ライオンキング - 北海道四季劇場

キンプリ記事は結局アップできてないんですが、東京公演にもライビュにもニコ生配信にも間に合わなかったので燃え尽きた感があります。

 

さて、キャストが変わったと聞いたので、11月15日(水)ウィークデー料金日のソワレで『ライオンキング』を見てきたよ。

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クリスマス。隣にツリーもあったけど、上のバナーが明るすぎて綺麗にうつりませんでした。

なお、これ以降の画像はすべて公式からの引用です。

 

【キャスト】

ラフィキ:平田曜子/ムファサ:平山信二/ザズ:雲田隆弘/スカー:岩城雄太/シェンジ:海野愛理/バンザイ:韓盛治/エド:川野翔/ティモン:岩崎晋也/プンバァ:川辺将大/シンバ:田中彰孝/ナラ:谷原志音/ヤングシンバ:土屋諒成/ヤングナラ:三浦あいか

■アンサンブル

前田貞一郎/五十嵐春/近藤聡明/梅津亮/進藤拓実/伊藤綾祐/久保亮輔/小野功司/浜名正義/坂口大和/齊藤太一/ツェザリモゼレフスキー/石野喜一

市川友貴/諸橋佳耶子/志賀ひかる/時枝里好/門田奈菜/増山美保/塚越眞夏/梅﨑友里絵/若松小百合/佐藤友里江/出口恵理/松尾優/川口侑花

 

このブログの最初の記事も『ライオンキング』ですが、それは東京バージョンで、今回は札幌バージョンです。もちろん同じ作品だけど、厳密にいうと同じじゃないので、複数回見たっていいよね許して。

とはいえ同じようなこと書いてもつまらないので、今回は、

  1. 東京と札幌の違い
  2. シンバ見比べ感想
  3. 好きなシーンベスト3
  4. 好きな動物ベスト3
  5. 好きな植物ベスト2

をまとめてみるので、よろしければお付き合いください。

 

1.東京と札幌の違い

違うところ①舞台セット

『ライオンキング』は舞台セットがとても大きいです。その中でもシンバがうぉーってするプライドロックは高さが4メートルあって、本国で最初に上演された劇場でも舞台下の奈落に収納しきれなくて3段に畳んでいたらしい。

でも東京の劇場はそもそも『ライオンキング』を上演することを目的に作られているので、奈落に収納することができます。ワンダフル。

ただ世界中そんな劇場ばかりではないので、ツアー公演も多いアメリカで舞台袖から出し入れできるプライドロック(俗称スライドロック)がつくられました。大阪や札幌ではそのツアー版が使われています。東京のプライドロックはつるっと曲線だけど、スライドロックはザクザクしてます。

……ツアー版との違いって、プライドロック以外はなにがあるんだろう??偉そうに書いてるけど実はよく知らないので、知ってる方いたら教えてください。

 

違うところ②話してる言葉

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シンバの親友 ティモンとプンバァは、プライドランドから遠くに住んでることを表現するためにご当地弁を話します。ブロードウェイでブルックリン訛りが使われていたのを、日本では各地のご当地弁を使うことで同じ効果を出しているんですね。東京版は江戸弁、札幌版は北海道弁です。

【江戸弁】「ティモン、こっちに来てよ、まだ生きてるよ」「わかってんだよ なんでぇ、これ?わぁ!ライオンだ!プンバァ、逃げろってんだよ」

劇団四季:ライオンキング:ティモン&プンバァ(江戸弁バージョン) - YouTube

北海道弁】「ティモン、こっち来てみな、まだ生きてるんでないかい」「んなモンわかってるー なんだべこれ?わっ!ライオンだべ!プンバァ、逃げれ、早くすれ!」

劇団四季:ライオンキング:ティモン&プンバァ(北海道弁バージョン) - YouTube

 ちなみに私が好きな北海道弁のセリフは、プンバァの「おけつの休まさるところが家さね」と、ティモンの「俺たちと一緒にいてぇなら、おんなじもん食わなぃばなんないよ」です(うろ覚え)。

 

違うところ③新演出

初演以来18年間ずっと同じ劇場でロングランを続けている日本の『ライオンキング』は、ブロードウェイ版の演出変更に対応しておらず、本国ではとっくの昔にカットになっているシーンや演出が残っていたそうな。

浜松町の「四季劇場[春]」がエリア再開発に絡んだ関係で『ライオンキング』は大井町の「四季劇場[夏]」に一旦移転することに。その入替休演期間中の今年6月に、現地のスタッフを呼んでアップデートするブラッシュアップ稽古が行われました。

ただし、札幌は今年5月に開幕して1か月しか経っていない状況だったのでアップデートは見送り。だから今札幌で上演されているバージョンは、東京ではカットされている演出が残っています。

ちなみに、札幌の劇場はこの後1月下旬から2月末までメンテナンス期間に入ります。そこで演出を東京にそろえるようです。

 

新演出はセリフやメイクやシーンや、大小たくさんの変更があるそうですが、話題になっているのは2幕「愛を感じて」のセンターバレエとフライングのカット。

正直、初見で「これはなに……?」と思ったシーン第1位の場面です。成長して再会したシンバとナラの気持ちを3組のカップルが身体的に表現しているんですが、つまりディズニー的に描きにくい肉体的な交わりを表現しているのか?といつも不思議な気持ちで見てました。

ちなみに3組のカップルというのはそれぞれ、①舞台奥のフライングカップル:一つになりゆくナラとシンバの心、②舞台センターのバレエカップル:肉体、③舞台手前のフライングカップル:二人の半生のドラマ、を表してるそうです、そうだったんだ。

なくなっちゃうと思うと、それはそれで寂しい。今のうちに目に焼き付けておかないとね。

 

2.シンバ見比べ感想

それで、今回見に行ったのはキャストが変わったからでした。四季さんは台本至上主義で、そのとき一番状態の俳優が出るシステムだそうなので、上演週の頭まで誰が出るかわかりません。

最近見た順の直感的な感想です。

田中彰孝(たなか・あきたか)さん

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・お顔担当:正統派さわやかイケメンだと思います(イメージはサッカー部)。PVやwebシアターにも出ているので、そういう意味でも「『ライオンキング』の顔」かな。

声が出る:雄叫びとか、「終わりなき夜」の声量がすごい!一方でセリフは声が小さいなあという印象。きっと抑揚だと思うんだけど、もう少し出してもいんでない?と思いました。

・細かい演技が多く、動きが大きい:「終わりなき」で苦悩が「あぁっ!」みたいな声に出たり、手のひらを殴って苛立ちを表したり。スカーとの対決前にティモンが話しかけてくる度に「シッ!」と人差し指を口に当てたりとか。最後マントをつけてプライドロックを登るとき、動きが激しすぎてマントがめくれたまま戻らないとか。ちょっと過剰かもだけど、丁寧だなあと思います。

・ちょいぷに?:男の人のマッチョな胸も揺れるんだな、と知りました。

 

厂原時也(がんばら・ときや)さん

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Instagram

・筋肉が美しい:少し小柄だけど、とにかく筋肉がすごい。「ハクナマタタ」で側転するときはマスクが床にスレスレ(リーチが短め)でハラハラするけど、ひとつひとつの動きにキレがあって、とてもきれい。身体中がバネみたい。

・陰がある:キラキラした笑顔が素敵なんだけど、表情とかセリフの言い方にナイーブさがある印象。意外と低めな声質の影響もあるかも。

・マット肌:他の人のシンバを見て気付いたんですが、彼は全然汗をかかないんですね。他の方は大抵テラテラに輝いています。

・道産子:これは感想じゃなくて補足情報だけど、北海道の離島「奥尻島」の出身で、高校の修学旅行で見た『ライオンキング』に感動して、進路を調理師から舞台俳優に変えた男です。

 

島村幸大(しまむら・ゆきひろ)さん

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・ネアカ:直情型で、嬉しいときも怒ったときも感情を全身で表現するような、天真爛漫さを感じる。

・安定した歌唱力:声質は高め。ハイトーンがきれいに伸びていた気がする。

・汗:特にすごい。

 

永田俊樹(ながた・としき)さん

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・素直そう

・体が直線的:バキッとした筋肉。しなやかさというより、力強い感じ。

(1年前に1度見たきりなので感想がざっくりしててすみません。)

 

個人的には厂原さんを応援しているけど、実は島村さんのシンバが一番しっくりきてます(見た直後に「ああ、シンバってこうだよね」と思った)。こればっかりは役者それぞれのキャラクターと、見る人の好みですけどね。

 

3.好きなシーンベスト3

3位:星のしずく

自分は誰なのか?これからどうすべきなのか?迷ったシンバがラフィキに連れられて亡き父王ムファサの声を聞く場面。

星空かと思えば、ムファサの顔がハッキリ浮かんだりするような照明効果が好き。夢?現実?曖昧になる感じが最高だなあと思いました。

ラフィキの歌う「彼はお前の中に生きている」は、1幕でムファサが歌う「彼らはお前の中に生きている」のリプライズで、いずれも名曲です。

このシーンがランクインするのは今回が初ですが、良い場面だなと思いました。初見のときは疲れていたので、暗いシーンだと思ってウトウトすらしてたからね。

 

2位:サークル・オブ・ライフ

幕が開いて始まる力強いラフィキの歌唱。気付けばレイヨウが左右から加わり、舞台上では太陽が昇りキリンが悠然と歩いていく。

単純に、ライオンキングの世界観を表す圧倒的な力があるシーンだから好きっていうのがひとつ。

それから、動物たちが客席通路を通って舞台上に集まっていくとき、私も毎回「わあ!」って喜んでるんですけど、他のお客さんも驚いたりニコニコしたりしてるんですよね。その表情を見るのが好き、っていうのがひとつ。

それと、曲終わりに暗転する瞬間の、お腹に響くドーン!って低音が好き、っていうのもひとつ。

です。

 

1位:彼らはお前の中に生きている

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Instagram

さっき出てきた1幕の「彼らはお前の中に生きている」です。

ムファサは画像左のマスクを頭上に着けているんだけど、この場面では外します。取れるの?それアリ?と思ったこともありますが、王としてではなく父としてシンバと向き合うことを示すためのニクい演出ですね。

一番好きなのは、ヤングシンバの問いかけに答えるところ。

「僕たち、仲良しだよね」「ああ」

「僕たち、ずっと一緒だよね」「……」

ここで返事をしないんですよ、ムファサは!

答える代わりに、父として、王として、自然の摂理をシンバに説きます。そして、困ったことがあれば夜空の星を見上げなさい、そこに歴代の王がいてお前を見守っているからな、と歌うのが「彼らはお前の中に生きている」。絆の場面で、グッときます。好き。

  

 【番外編】

かわいいところ:お人形のヤングシンバ

人形や影絵で表現されるヤングシンバの、まあ、かわいいこと。

大草原でムファサの後をついていくときに、全然よそ見ばかりしてるところ。スカーの後をついて峡谷に向かうときに、いちいち動きを真似しているところ。

むちゃくちゃかわいいです。もちろん子役が演じるヤングシンバもかわいいんだけどね。

 

4.好きな動物ベスト3

3位:シマウマ

シマウマはパペットの造形が想像の範囲内で安心感があります。大抵さわやかな笑顔が素敵な俳優が演じているところも良い。カーテンコールでは首を上向きの半円形にめぐらせながらリズムに乗ってることに最近気付いて、めっちゃかわいいやん、と思いました。

 

2位:レイヨウ

杖を持ってるのが高山の動物っぽくて良い。パワフルに歌うところも良い。あとは「サークル」のときに、ライトが当たって壁にうつるグルグルと巻いたツノの影が美しい。

 

1位:若い雌ライオン

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Instagram

狩りのシーンで、真っ青な背景に現れるオレンジ色が鮮やかで素敵。モモンガみたいに頭から手足まで布をまとっていて、それが動きに合わせて空気をはらむのが美しい。ライオンの気高さやしなやかさが現れているようで好きです。ガゼルに狙いを定める流し目も良いです。

ちなみに「若い」としたのは、お母さん世代の雌ライオンは踊ってくれないからです。

 

 5.好きな植物ベスト2

2位:ジャングルの草

肌色の全身タイツで、体の右側面と頭に寿司桶に入ってるバランが生えたみたいな、前衛芸術的デザインに驚く。シンバの理想の場所を表現するためにジタバタしたり、寝転んだティモンを起こす手伝いをしたり、だいぶフレキシブルに動いてくれて楽しい。

 

1位:サバンナの草

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頭に草が乗っているデザインが斬新。頭の高さを変えずにすり足のようにして移動したり、腰をひねるようにしてスカートを揺らしたり、画一的で意識のないただの自然=無機物として表現する一方で、敢えて人が演じることで「サークル・オブ・ライフ」の一員=命のある存在としても演出されている(たぶん)のが、好きです。……これちゃんと通じる日本語になってる?

初登場シーンの、後ろからライトが当たったシルエットがきれいです。

 

※本当はベスト3に揃えたかったんですが、残った植物は「愛を感じて」のサボテンやバナナの木みたいな派手なもの。あのデザインは演出的にも意味があるのはわかるんだけど、あまり好みじゃないので、すみませんがベスト2でお願いします。

 

*****

……いかがでしょうか。次回ご観劇の際には、ぜひご注目ください。

そしてもし札幌に見に来ることがあったら、ついでに私とご飯に行ってください。待ってます。

ビリー・エリオット〜リトルダンサー〜 - 梅田芸術劇場 メインホール

ご無沙汰です。
半年ぶりですか。時が経つのは早いや…。
舞台やら映画やらライビュやら、いくつか見てたんですが、ちょっとブログ無精しててすみません。
せっかくなので一言ずつまとめます。
ミス・サイゴンライビュ(3月):曲は好きだけどストーリーは苦手かも。カテコ豪華。
セラミュ恵庭(3月):初の2.5次元ミュでキャスティングの妙を体感。
髑髏城-花ライビュ(5月):シアターの作り意味不明すぎて面白かった。
髑髏城-鳥ライビュ(7月):5月に見た花と違いすぎて面白かった。
レミゼ帝国劇場(7月):最高。あらためて本を読み直したし(ジャベールの真っ直ぐで不器用な生き方が刺さる)、サントラは古いけど赤青借りて聴いてる(島田歌穂さんのエポニーヌ切ない)。
あとは毛色違うけど9月に東京03の単独公演自己泥酔見て豊本の不倫イジリネタが最高でした。ザマミロ。


11/3(金祝)ソワレ、梅芸で『ビリー・エリオット』見ました。
たまたまですが、前楽でした。

初めての梅芸メインホール。
大阪・梅田の駅の周りはいろんなビルが立体的に交錯している上に、どの歩道にも人があふれていて、スーツケースを引きながら劇場に向かう道中、開演に間に合わないんじゃないかと死ぬような思いでした。


※画像は全て公式HPより

【キャスト】
ビリー:木村咲哉/お父さん:吉田鋼太郎ウィルキンソン先生:柚希礼音/おばあちゃん:久野綾希子/トニー:藤岡正明ジョージ:小林正寛/オールダー・ビリー:栗山廉/マイケル:持田唯颯/デビー:夏川あさひ/トールボーイ:笹川幹太/スモールボーイ:桜井宙/バレエガールズ:チームベッドリントン(遠藤美緒、大久保妃織、佐々木佳音、高畠美野、新里藍那)

◼︎アンサンブル
森山大輔/家塚敦子/大塚たかし/加賀谷真聡/北村毅/佐々木誠/高橋卓士/辰巳智秋/橋本好弘/羽鳥翔太/原慎一郎/丸山泰右/横沢健司/木村晶子/小島亜莉沙/竹内晶美/三木麻衣子/秋山綾香/井上花菜/出口稚子


【あらすじ】(梅田芸術劇場HPより)

バレエとの出会いが、少年の運命を変える。

1984年の英国。炭鉱不況に喘ぐ北部の町ダラムでは、労働者たちの間で時のサッチャー政権に対する不満が高まり、不穏な空気が流れていた。数年前に母を亡くしたビリーは、炭鉱で働く父と兄、祖母と先行きの見えない毎日を送っていたが、偶然彼に可能性を見出したウィルキンソン先生の勧めにより、戸惑いながらも名門ロイヤル・バレエ・スクールの受験を目指して歩み始めるようになる。息子を強い男に育てたいと願っていた父や兄は強く反対したが、11歳の少年の姿は、いつしか周囲の人々の心に変化を与え…


今回の席はA席で2階の中央左ブロック通路後ろ。舞台前場をギリギリ含んで全体が見渡せる席で、見やすかったです。
プロセニアムの下手側が奥に少し下がり舞台のヘリに対して斜めに設置されていたので、中央左ブロックからはちょうどその枠が正面に来るかたちでした。

泣いた場面の話

何年か前に映画DVDも見てたものの、正直あまり泣くイメージがありませんでした。
が、結果的に1幕で1回、2幕で3回くらい泣きました。
久野綾希子さんと柚希礼音さんを見よう、あとはきっとダンスがすごいんだろーな、くらいの気持ちで行ったのが恥ずかしい。


1幕で泣いたところ


ロイヤル・バレエ・スクール受験用のダンスを作るため、自分を表すものを持ってきて、とウィルキンソン先生に言われたビリーが持って来たのは、亡きお母さんからの手紙。
18歳のビリーに宛てて書かれた手紙を「ちょっと早く読んじゃった」ビリーは、ウィルキンソン先生が音読する先を淡々と話していきます。
文面を全部覚えるくらい繰り返し読んだんだなあと思ったら、その瞬間に泣いてました。


2幕で泣いたところ

  • オールダービリーと踊るうちに、ビリーが宙を舞う場面


受験は家族に反対されて会場にも行けず失敗。
後日、誰もいなくなった福祉会館でひとり踊るビリーにオールダービリー(未来のビリー)の姿が重なっていく。
このダンスを見て、お父さんはビリーの夢を応援しようと思い直します。
スモークと照明が幻想的で、美しい、と思いました。
演出的には隠してないのに、なぜかフライングワイヤーを着ける瞬間に気付いていなくて、急に浮き上がったように見えて驚きました。

  • ビリーがオーディションで「まるで電気」が走ったように弾けて踊る場面


面談で審査員に「踊っているときには、どんな気持ちになる?」と聞かれたビリーの返事が表現されます。
答えを探しながら「こんな感じ」に行きつくまでの気持ちがつづられていて、踊ることが好きで、今の自分のすべてなんだ、っていうのが伝わってきて、胸がいっぱいになります。

受験の合格と、入学のための出発を報告に来たのに、ウィルキンソン先生は素っ気ない。
ビリーにとっては恩人のウィルキンソン先生からの、今まで教えたことは全て忘れなさい、という言葉は重くて深い。

  • ロンドン・バレエ・スクールへ出発前に、ビリーがお父さんに抱きつく場面


ビリーとお父さんはずっと気持ちがすれちがっていたので、ハグするのはここが初(たぶん)。親子の絆が戻ってきてよかったね、と思いました。

  • ビリーがマイケルのほっぺにキスする場面

門出を見送りに来てくれた親友マイケル。バレエ教室に通い始めたビリーのほっぺにマイケルがキスする場面があるのですが、その返事ですね。


……2幕は5回泣いてたのか。カウントがガバガバです。


子役がすごいという話

いや、それにしても、子役をナメたらいかん、と思いました。

こんなに子役を信頼して舞台すべてを任せるって、本当にすごいこと。
わたしがよく見る劇団四季にだって子役が出る演目はあるけど、子役だけで舞台が進むことなんて全然ないものな。

双方の演技力にそこまで差があるとは思わないけど、強いて言えば子役本人とカンパニーの覚悟が違うのかなあ。

1幕の最後、お父さんとお兄さんに妨害されてオーディションに行けなかったビリーの怒りと衝動を表現したナンバーは、正直段取り芝居っぽかったです。
でも、人の気持ちを動かすというのは、必ずしも演技力とか辻褄とか、そういうことだけじゃないんだなと思いました。

私自身、無意識のうちに子役のことを「所詮、子役」だと思って、勝手に上限を決めて見てたんだなと気付いてショックでした。


子役のオーディション

ビリー・エリオット』の上演にあたっては、何よりも主人公のビリーを演じる子役がいるか?っていうのがネックだったと思うのですが、そのためにビリーカンパニーは1年以上の時間をかけてオーディションと育成をしています。

2015年11月から募集開始 → 1,356名の応募から、書類審査で450名に → 2016年4月のオーディションで10名に → 5月からレッスン開始 → 8月に3次審査で7名に → 12月に最終4名が決定 → 開幕する7月まで稽古
という流れ。

稽古期間が半年程度なのは、『ライオンキング』も『アニー』もそのくらいみたいなんですが、選考期間にレッスンを用意して伸びしろを見てくれるところが素晴らしいと思いませんか。


そもそも、今回舞台版見ようかな~と思った最初のきっかけはそのオーディションに知り合いのお子さんが残っていたからなのでした。
残念ながらその子は最終で落ちてしまったのだけど、その子バージョンも見たかったな。



個人的によくなかった演出とよかった演出の話

ダーラムっていうのはイギリス北部の田舎で、本国の映画でも舞台でも、もともと訛りのある設定。日本版はなぜか博多弁になっていて、申し訳ないけれど、これは正直イマイチでした。

冒頭プロジェクターで白黒テレビが流れて、サッチャーがどうとかいう映像と英語音声が流れているのに、舞台が始まったら大人たちが急に博多弁を話していることの違和感がすごかった。せめてニュースが日本語(標準語)だったらイメージが違ったのかもなと思います。
加えて、ビリーとウィルキンソン先生、町の子どもがあんまり博多弁っぽくなかったのもよくなかった原因かな。

関連して、舞台版の『ライオンキング』を思い出しました。
ティモンとプンバァはセリフに上演地のご当地弁を取り入れているんだけど、あれも他のお客さんには、今回私が感じたような違和感を持って見られているのかな。
ライオンキングは標準語を話す王国との対比がわかりやすいと思っているんだけど、私が慣れちゃって何も感じなくなっちゃっただけなのかな?
ちょっと気になりました。


反対に、私が好きだった演出。

  • 1幕のビリーのバレエ教室通いの場面。


町の荒れる炭鉱ストライキと、平和なバレエ教室の様子が、同じ舞台のなかで入り混じりながら演じられています。
どちらが日常でどちらが異質なのか、だんだんと分からなくなってくるけど、それでも毎日が過ぎていく。
上手だなあと思いました。

  • 2幕の最後でロンドン旅立つビリーを町の人たちが見送る場面

最初はバレエなんてゲイのやることだとバカにしていたはずの町のみんなが、いつしかビリーを応援して、オーディションと生活費のカンパまでして。そのみんなに見送られて、ロンドンへ旅立つビリー。
ストライキが失敗に終わった炭鉱夫たちのヘッドライトを残して、周りは暗転。
ヘッドライトは炭鉱夫の象徴でビリーにとっての原点だし、一方ではダンサーとして舞台に立ったビリーを照らす舞台照明のようで、これから先目指して行く場所を暗示するようでもあり。示唆的で、舞台的で、とてもよかったです。

そして明転して、舞台を降りて客席側を歩き出したビリー。見送りに来たマイケルの元に駆け寄って、何も言わずにほっぺにキスして別れる、ポエムみたいな幕切れ。
女の子の服に興味があって、お姉ちゃんの服を着ながら、自己表現することの楽しさを教えてくれて、ビリーを明るく勇気付けていたマイケル。オカマじゃないよ、と言っていたけど、ビリーのことは大好きだったよね。
静かでセンチメンタルな終わり方が、すごく好きでした。


*****

今回、ビリー・エリオット観に行くんです〜と話したら、会社のお姉さんが舞台版のブルーレイを貸してくださいましたが、予習する時間が取れませんでした。
今やっとブルーレイを見ながらこれを書いてますが、抜けてる場面もあるということに気付きました。
ビリーの実技審査の場面、どうしてカットしちゃったのかな。
マイケル、自分をオカマだって認めてるな(日本版は私が聞き間違えたのかな…)。
やっぱりちゃんと予習してから見るんだった。


ともかく、舞台がとてもよかったので、復習がてら映画を見直そうと思います。
課題図書山積みで、ちゃんと消化できるかどうか不安ですが…(モーツァルト!×2と、ライオンキング2-3、キンプリ、他)。


次は、今日か明日の午前中までに、舞台「キング・オブ・プリズム」の備忘録をまとめたいです。よろしくお願いします。

王妃の館/VIVA! FESTA! - 東京宝塚劇場(ライブビューイング)

気付けば、最後に更新してから早2ヶ月半ほどが経っていました。
こんなブログでも、毎日少しずつアクセスがあったみたいで驚いています。

放置期間にも舞台を1本と映画を何本か観ました。でもまあそれは置いておいて……。


今回は4/30に見た宝塚歌劇団宙組のライブビューイングについて書きます。
主に、連れて行ってくれた会社の先輩が教えてくれた注目ポイントを忘れないためのエントリーです。

※宝塚素人なので、呼び方や表記が間違っていたらすみません。気付いた方、こっそり教えてください。

宙組 東京宝塚劇場公演『王妃の館 -Château de la Reine-』『VIVA! FESTA!』


(写真は全て公式HPより)

大千秋楽で、且つ、トップ娘役の実咲凜音(みさきりおん)さんの卒業公演でした。

キャスト一覧は割愛します。
去年、人生で初めて見た宝塚(エリザベート)も宙組だったなあ。

第一幕 ミュージカルコメディ『王妃の館 -Château de la Reine-』

浅田次郎の同名小説を、今回の公演のために舞台化したそう。

ちなみに、水谷豊主演で映画化もされています。

どう見てもキワモノですね。気になってDVDを借りたので、後で見ます。
→5/4見ました。おかっぱ×ド派手な半ズボンスーツ×カラータイツの水谷豊にMPをじわじわと削られました。
どこで笑ったらいいのか、何が言いたいのかわからなかった……宝塚版の方がポイントが凝縮されていて、笑える部分も多くて楽しい。
出演者とロケ地が豪華なのは映画ならでは。一方、映画だと日本人がフランス人を演じている"作り物感"が気になってしまいました。
あと、ベルサイユの場面でワーグナーが流れるのが不思議。


あらすじ(公式HPより)

パリ、ヴォージュ広場の片隅に佇む「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ」は一見客の宿泊を許さぬ高級ホテルだが、実際は深刻な経営難に陥っていた。そこに目を付けた旅行社「パン・ワールド・ツアー・エンタープライズ」はホテルとタッグを組み、高額の“光ツアー”、格安の“影ツアー”それぞれに同じ客室を利用させるという奇策に打って出る。しかし集まったのは風変わりな人気作家ら、一筋縄ではいかない癖者ばかり。かつての城主、ルイ王の物語が紐解かれる中、様々な騒動を繰り広げるのだが……。

このあらすじだけ見て行ったら、登場人物がみんな日本人で驚きました。「パン・ワールド・ツアー・エンタープライズ」は日本の旅行会社で、ツアーに参加しているのもみんな日本人なんですね。
中心人物は以下の3人。

取材のためにツアーに参加した人気恋愛小説家 北白川右京(朝夏まなと)。

旅行会社の社長兼ツアコン 桜井玲子(実咲凜音)。

ホテルの城主で、北白川の部屋に現れるルイ14世の亡霊(真風涼帆)。


見る前にオススメされたポイントと、先輩のコメントがこちら。
矢印以下は私の感想です。

・北白川右京が閃いた時の動き
とにかく動きが気持ち悪い。手足の長いまぁ様(朝夏まなと)だからこそできる表現。
→気持ち悪くて笑いました。あんなに冷たい美しさを湛えていたトート閣下がこんなコミカルな役もやるのか、という衝撃。

・桜井玲子のナンバー「もうひとりのエトランジェ」
宝塚大劇場の自動演奏ピアノで初めて聴いた時にいい曲だ!と思ったくらい、メロディラインが良い曲。みりおん(実咲凜音)の歌唱力も高いのでぜひ聴いて。
→1周目で歌詞の意味まで辿り着けていないけど、良い曲なのは間違いない。玲子のしゃかりきキャラも好感。

ルイ14世のせつなさ
真風(真風涼帆)の演技が良い!
あと、みんな早替えしてる中、衣裳替えが無くてずっと待ってる真風を思うとかわいいよね。
→安定感。'太陽'王ルイ14世とディアナ(月)の悲恋、というテーマがいいよね。早替え云々はあんまりよくわかってません。

・愛月ひかるの滑舌の悪さ
相変わらず滑舌がよくない。諦めるべし。
→ルックスはシュッとしてて素敵なんですよ。今回は関西弁のおっちゃんキャラだったので、滑舌はそこまで気になりませんでした。クルクル回るカツラがポップ。

・蒼羽りくの変わり身
1幕ではオカマちゃん役だけど、2幕では牛役をやるよ。
→すごい振り幅。個人的に、宝塚においてオカマちゃんは難しいんじゃないかなと思います。男役(女性)の演じるオカマちゃんは、結局女性にしか見えないんだよね。。


そのほか。衣裳がとにかくかわいい。


この色合い…


この柄…


このバランス…

色彩感覚がずば抜けているし、これだけ柄を重ねても邪魔じゃないのがすごい。
北白川と玲子の衣裳がさりげなく対になっているのも素敵。
もちろん着る人を選ぶ衣裳ですが、やはり彼女たちは選ばれているなあと思いました。


1幕で完結するスピーディーな展開で、楽しくわかりやすいお話でした。「王妃の館」という名付けの秘密や、北白川の創作を巡る葛藤、個性あふれる光と陰ツアーの参加者とそれぞれのドラマが描かれます。これはネタバレですが、最後に愛月ひかる演じる不動産王・金沢が財力で全てを平和解決してしまう安易さは逆に清々しかったです。

ただ、感情の切り替わりに引っかかるところもありました。ルイ14世はどうして北白川の作戦に乗っかったのか…心が動く決定的な瞬間を見落とした気がします。


千秋楽だから、いろいろアドリブが入っていたみたいですね。いつもは1人しか言わないセリフをみんなで言ったり、とってもハッピーなセリフを付け加えてくれたりとか。

総合的に、とても楽しかったです。



そして30分の休憩を挟み、第二幕へ。

第二幕 スーパー・レビュー『VIVA! FESTA!』

これも宙組書き下ろし。

作品紹介(公式HPより)

祈り、感謝、願いなど、生きる為に大切な想いが集約され、人々が非日常の世界に集うFESTA(祭り)。リオのカーニバル、中欧・北欧に伝わるヴァルプルギスの夜、スペインの牛追い祭りや日本のYOSAKOIソーラン祭りなど、世界各地のFESTAをテーマにしたスーパー・レビュー。宙組のパワー漲る数々の場面をお届け致します。朝夏まなとを中心とした宙組のFESTAに、ようこそ!


教えてもらった見どころとそのコメントと私の感想!

・裸の方がまだ恥ずかしくない衣裳
みりおんだから着られるけど、あれはすごいと思う。
→キラッキラのヌーディーカラーのレオタードに、袖と膝下がつながった形の衣裳(伝わるかなあ)でした。個人的には、『ライオンキング』の"愛を感じて"のアクロ枠の人たちとか、『美女と野獣』の"ビー・アワ・ゲスト"のカトラリーたちの衣裳方が恥ずかしい気がする。カーニバルらしく煌びやかな衣裳が楽しくて良い。

・黒燕尾のダンス
普段、黒燕尾はあんまり激しく踊らないんだけど、ここではがっつり踊ってめっちゃかっこいい。
黒燕尾が登場するときに大階段で作っている「M」の字が、朝夏まなとのMなのか、実咲凜音のMなのか、とヅカ仲間で取り合っている。

→黒燕尾って服装はそれだけでかっこいいです。個人的に、千秋楽だけは実咲凜音のMだと思いたい。

・黒燕尾のまぁ様がみりおんを抱えて回るところ
女性同士なので1回転ちょっとでヨロヨロしちゃうカップルが多いけど、細いみりおんを力持ちなまぁ様が抱きかかえてめちゃくちゃ安定してきれいに回る。スモークが渦を作るよ。

→圧巻でした。スクリーン相手に拍手しちゃった。

・愛月ひかるが韓流アイドルの曲を歌うところ
本家の韓国人が日本語で歌っている方がよっぽど聞き取れる。
→否定できない。

・オカマちゃんから牛になる蒼羽りく
オカマちゃんだーと思って見てる。
→牛追いすごくかっこよかった!2幕中で一番好きな演目。

・ソーラン節2番は真風が歌います♡
この間見に行ったときは、まぁ様と肩を組んで銀橋(ぎんきょう:オーケストラピットを囲むように作られている、舞台と客席の間の通路の様な舞台。エプロンステージとも。)に出てきてくれてすごく楽しかった。
→2番に来るまで結構長くて「来るか!?」「来るか!?!?」を繰り返しました。北海道に来てからソーラン節がちょっと身近になったこともあって、楽しさ増します。

(補足。お気付きかもしれませんが、先輩は真風涼帆推しで、愛月ひかるが苦手です。)


レビューは初めてでしたが、受動的に楽しめていいですね。

ワルプルギスということで禿山の一夜に歌詞とストーリーを付けたナンバーがありました。歌詞を思い出せないのが悔しい。主人公的な真風さんがかっこよかったです。

牛追いは、朝夏まなと率いる闘牛士軍団と、蒼羽りく率いる牛軍団の対決。布を翻して牛を翻弄する闘牛士と、足を踏み鳴らして突進する牛の振りがカッコいい。闘牛士が一人、牛たちに突き上げられてしまう流れが印象的。

ソーラン節では掛け声が「ソーラン!そーらぐみ!」で感心しました。
それから、曲終わりで皆さんウインクされるんですね。ちょっとドキッとする。

第二幕も楽しかったです。


一旦幕が降りて、実咲凜音さんのさよならショーへ移行。
宙組組長の寿つかささんが丁寧に紹介をしていて、宝塚は役者を大事にしているんだなあ、と思いました。スターシステムなので当然なのでしょうけど。。

宝塚に全く詳しくないけど、最後に組と同期からもらった花束をカタカタ震わせながら卒業口上を述べる実咲凜音さんを見ていたら泣けてきて、そうこうしているうちに全行程が終わりました。



いやしかし、宝塚ってすごいですね。

2,000キャパの公演が週に10回もあって、それが連日埋まって、足りなくて各地でライブビューイングして、それでもチケット取れないことがある。本当にすごいコンテンツ力だなあと思います。

加えて、後々ブルーレイを売る前提でライブビューイングもするという無駄の無さはさすが。


そしてそれだけ大きい劇場でご贔屓さんを見ようと思ったら、オペラグラスが必須。
先輩が言っていたのは「みんな顔が綺麗で絵みたいだから、オペラグラスでずっと見ていられる」。

ライビュだから表情までよく見えていたけれど、オペラグラスで見続けるのに耐えうるお顔ってこういうことだなと思いました。


あとはパンフレット。
場面と配役が細かく、細かーく載っているのは、ご贔屓を見つけてもらわなきゃいけないスターシステムの宝塚ならではですね。

ついでに教えてもらったんですが、団員紹介ページの掲載順は、宝塚音楽学校を卒業するときの成績順とのこと。
過去の成績がずっと付いて回るなんて、上位者は特にプレッシャーがすごかろうなと思いました。



生の舞台には勝てないけど、ライブビューイングも良いものだなと、今回思いました。
本州に行くには時間もお金もかかるなかで、気軽に見られる機会が持てるのは嬉しい。
満遍なくフラットに見るべきところを映してくれるのも、初見にはありがたいかも(自分で見たいところを切り取れるのが舞台の醍醐味でもあるんですが)。

応援上映の影響で拍手も声援も普通だと思っちゃうけど、ライビュはそうではないようで、拍手をする人はほとんどいませんでした。
ブラボー(拍手のこと)、入れたかったなあ。最後、実咲凜音さんのかけ声に合わせて「ソーラン、宙組!」って言いたかったなあ。
スクリーンの向こう側には届かないけど、スポーツのライビュみたいにみんなで盛り上がればいいのにね。


というわけで、思いついた順番に書いてみました。
何事もそうだけど、詳しい人と行くとポイントを教えてもらえるから楽しいんですよね。
先輩、どうもありがとうございました。


次は抽選で落ちなければ、劇団☆新感線『髑髏城の七人』のライブビューイングを見る予定。
GWに生で見ると言ってた同期に、見どころを聞いておこうと思います。
これも楽しみだなー!

フランケンシュタイン - 日生劇場

1月27日、マチネで『フランケンシュタイン』を見てきました。
まもなく3週間が経とうとしています…。


■キャスト

ビクター・フランケンシュタイン*ジャック:中川晃教/アンリ・デュプレ*怪物:小西遼生/ジュリア*カトリーヌ:音月桂/ルンゲ*イゴール:鈴木壮麻/ステファン*フェルナンド:相島一之/エレン*エヴァ濱田めぐみ/リトル・ビクター:難波拓臣/リトル・ジュリア:寺田光
(*は一人二役)

【アンサンブル】
朝隈濯朗/新井俊一/後藤晋彦/佐々木崇/当銀大輔/遠山裕介/原慎一郎/丸山泰右/安福毅/彩橋みゆ/江見ひかる/可知寛子/木村晶子/栗山絵美/谷口あかり/原宏美/福田えり/山田裕美子





前回のブログで書いたように、今回はアラジンのチケットが取れたので東京に行くことにしました。
せっかくなのでライオンキングも見ることにしました。
でも、LCCで比較的安いながらも飛行機を使って、舞台公演の溢れた東京に3日間も行くのに、劇団四季2本だけしか見ずに帰ってくるの?と、貧乏性な私が半ば強迫観念に襲われながら探し出したのが、今回の『フランケンシュタイン』です。


まず目についたのは豪華なキャストでした。
加藤和樹柿澤勇人濱田めぐみ。鈴木壮麻。あらすてき。

公式HPにたどり着いて、公開されていた動画がこちら。

ミュージカル『フランケンシュタイン』OFFICIAL TRAILER - YouTube


「誰が出るか」しか、わからない!


作風を知るために脚本・演出の「ワン・ヨンボム」氏の経歴を知りたいのに、HPにも載ってない…。
よくよく調べたら、私の行ける回は加藤和樹でも柿澤さんでもない…。
すごい人らしいけど、中川晃教さん、小西遼生さんってどんな人だろう…。
ほかの人のレビューを読みたいけど、日本初演で開幕直前だから、全然ない……。

と、もろもろ不安に思いながらも、友人の
濱田めぐみさんが生きてるうちに生歌を聴くため足を運ぶのは価値のあることだよ」
の言葉に背中を押されて、チケットを取りました。





イメージつかないかと思うので、ここで簡単に、メインキャラクターとストーリーの説明をします。


ビクター:「生命を創造すること」にとり憑かれた科学者。
アンリ:ビクターの研究に協力する軍医。無実の罪で処刑される。
ジュリア:ビクターの従姉妹で婚約者。彼を愛しており、支えようとする。
ルンゲ:ビクターに仕える執事。ビクター坊ちゃんが大好き。
ステファン:ジュリアの父で、ビクターの叔父かつ養父。ジュネーブ市長。
エレン:ビクターの姉。誤解されやすい弟を、母のように愛情深く見守っている。

ジャック:闇の闘技場の主人。エヴァの尻に敷かれている。
怪物:アンリの遺体から作られた。身勝手に自分を生み出したビクターを恨み、復讐を誓う。
カトリーヌ:闇の闘技場で働く下女。怪物と心を通わせる。
イゴール:闇の闘技場の道化。
フェルナンド:金貸し。カトリーヌを利用し、闇の闘技場の乗っ取りを計画する。
エヴァ:闇の闘技場の非情な女主人。見世物として、怪物を闘技場で働かせる。


【1幕】
幼い頃の体験から「生命の創造」という"使命"に目覚めたビクターは、先行研究を発表した過去のあるアンリと出会って友情を育む。あるとき研究材料を求めた2人は殺人事件に巻き込まれ、アンリはビクターの身代わりとなって無実の罪で処刑される。ビクターはアンリを生き返らせようとその首を持ち帰り、命を生み出すことに成功するが、生まれたのはアンリの記憶をもたない怪物だった。怪物はルンゲを惨殺し、夜の闇に逃亡する。

【2幕】
3年後、ビクターはジュリアと結婚していた。怪物の影に怯える暮らしのなか、あるときステファンが行方不明となり、町中を探し回るビクターの前に怪物が現れる。怪物は創造主のビクターに、闇の闘技場でモノ同然に扱われた3年間の地獄のような体験を語り、ビクターへの復讐を誓う。一方、ステファンの遺体が見つかり、エレンは殺人を疑われて処刑される。ビクターはエレンを再生しようとするが、装置は怪物によって破壊されていた。その間にジュリアも殺され、絶望に打ちひしがれるビクターに、北極へ行くと告げて怪物は去る。ビクターは北極で怪物にとどめを刺し、自らも受けた傷で死ぬ。


※読んだことなくて知らなかったのですが、下敷きとなっているシェリーのゴシック小説「フランケンシュタイン」でも、怪物は北極に姿を消すんですね。予備知識がなかったので、すごく突飛に思えました。


PVを見ると少しイメージがしやすいかも。

『Frankenstein』PV【舞台映像Ver.】 - YouTube

全体的に緊迫感が溢れるお話でした。





ええと、前置きが長くなりましたが、感想はこれです。

もう本当に素晴らしかった!!俳優が!

なんといっても、粒ぞろいの俳優陣。
ウィキッド』や『アイーダ』のサントラでひたすら聞いた濱田さんの歌声を、生で聴ける幸せ。線の細い可憐なエレンと、下品なほど派手なエヴァの演じ分けは、まさに一粒で二度美味しい。

壮麻さんも、『李香蘭』やら東宝エリザベート』やらで聞き込んできたままの素敵なお声。ちょっとお茶目な役なのがかわいらしい。歌が少なく残念。

加えて、初めて見た中川さんのおそろしく歌のうまく、細やかな演技をされること。今年の読売演劇大賞で最優秀男優賞を受賞されたというのもただただ納得(ジャージーボーイズでの演技に対しての受賞ですが)。

小西さんは、歌はもう少しだったけれど、アンリと怪物の対比がよかったです。生まれたての怪物の動きは多分すごく研究されたんだろうと思いますが、気持ち悪いくらい、それらしかった。

音月さんも、2幕のカトリーヌの鬼気迫る演技がとてもはまっていました。ジュリアという役は、音月さんには可愛らしすぎた気もします。


ロイドウェバーを思わせるような難曲揃いのなか、歌いこなせるのは流石のメンバーで、ちょっと時間が経ちすぎて記憶があやふやだけどデュエットもよかった気がします。

一部、人によっては若干セリフが聞こえにくい気がしたけど、それは自分が四季耳だからだと思うことにします。

※四季耳:劇団四季の独特な発声方法(母音法)に耳が慣れすぎて、それ以外のセリフが聞き取りにくくなる状態。


ちなみに私が見たのは千秋楽直前の回だったのですが、幕間に声が大きいおばさまトリオが「今日はみんなすごく気合入ってるわね!!1週間でこんなに違うのね!!」と興奮しながら話していたので、良い回にあたったようです。


メインとなるテーマは、ビクターとアンリの友情と、ビクターと怪物の対峙。これが良くてね……………と言いたいところですが、実は2週間経ったら記憶が薄れてしまいました。大事なところ語れなくてごめんなさい。





さて「俳優が!」と限定したのには意図があって、これが本題なのですが、私は演出に納得がいきませんでした。

今回の目玉となる演出は、メインキャストが全員一人二役を演じる、という点だと思います。


※PVを見て、2幕からはみんな2役目で話が展開するのだと思い込んでいたので、それってどんな話なんだ??と謎でしたが、実際は、2役目というのが怪物の回想の場面に出てくる人たちなんですよね。1役目のビクターたちは2幕でも普通に出てきます。


アンリと怪物は実質同じ人物なので、そりゃあ一人二役も素直に納得。でも他が、必ずしも一人二役でなければならないようには見えなかった。


一人二役を取り入れるときは、どこかに共通性のある正反対の存在をもってくるのがセオリーというか、オーソドックスで効果の高いやり方だと私は思います。

プログラムで濱田さんが作品の一人二役について仰っていました。

演出の板垣さんが「人間の集団心理と、そこにいる個々の深層心理、エゴを包み隠さず描いた作品だ」とおっしゃって。確かにそうだなと思いますし、1幕と2幕で同じ俳優が別の役をやることによって、そうした人間社会の構図が立体的というより、絵画のように見えてきて、より伝わるんです。
中略
1幕と2幕が輪廻転生したパラレルワールドにも、一人の人間の半面にも思えますよね。誰にでもあるマイナスとプラスの面が、やじろべえが左右にゆれるかのように見えてくる作品。

演出効果を認めた上で、セオリーを守っているということですね。


これを念頭に置いてみると、今思えば、対比の構造が全くなかったわけではありません。


・命を生み出したいビクターと、怪物を玩具のようにぞんざいに扱うジャック。

・ビクターを愛し信じ続けるジュリアと、怪物と心を通わせるものの最後は裏切ってしまうカトリーヌ。

・ビクター坊ちゃんに付き従うルンゲと、ジャックに付き従うイゴール

・音月さんの 演じるジュリアを大切な娘として可愛がるステファンと、同じく音月さん演じるカトリーヌの密かな願いにつけこんで利用するフェルナンド。

・一歩下がって見守るエレンと、闘技場を支配するエヴァ


頭で考えれば気付けますが、観劇当時にはいまいち感じられなかった。
その理由を考えてみるに、


・ビクターは生命創造しようとしてるものの、ごく少数の身近な人以外の生き死に以外には無関心。他の命あるものを大切にしているようには見えなかった。

・ジュリアは1幕ではビクターを愛する理由づけが見えず、相手にされていないのに幼い頃の婚約をずっと引きずってるちょっと怖い女の人に見えた。カトリーヌとの対比よりもそちらの方が気になってしまった(だから2幕冒頭で結婚して幸せそうなビクターにも「???」だった)。

・ルンゲは1幕で亡くなってしまい、イゴールはただの闘技場の賑やかしの1人。

・ステファンは悪い人ではないけど良い人にも見えなかった。そもそもそんなに出てこない。

・エレンは……そうか、わかりやすく正反対でしたね。


ということだと思うんです。


とはいえ、濱田さんが指摘している以上、あのレベルの俳優が演じている以上、きっと私の感受性に問題があったんだなあ。反省。。




……と、思おうとした矢先、日程表で見つけました。

えっ、ビクターとジャック、別の人が演じる回があるの?一人二役に意味があるんじゃなかったの……。

これってつまり、一人二役に演出効果を認めていないということを、公式が発表しているということに見えないでしょうか。
極論ですが、人が足りなかったから一人二役にしたってことですか。
こういうの、がっかりしてしまいます。


関連して、俳優でチケットを買った私が言うのも何ですが、俳優で売ってる舞台なんだなあということをあらためて感じました。

それ自体を悪いと言いたいわけではないです。もちろんそれはあり。
たとえば、演劇作品としてじゃなく、衣装も舞台セットもあるエンターテイメントショーにお話が付いているものだと思えば、とっても豪華で楽しい(その割には、緩急がずっと急で緩が少なかったり、歌詞に違和感があったり、笑わせたいポイントがよくわからなかったりするんですけど)ってことです。
ただ、私は演劇の方が好きなので。


消化不良な点は二度目を見てみれば解消されるかもしれません。が、同じ演出なのであれば、わざわざチケットを買って2回目を見ることはないと思います。

でも本当に俳優と音楽は素晴らしかったから、今後レンタルCDが出たら借りたいです。


上げて下げてしまいましたが、感想は以上です。すっきり!





ちなみにこの後はしばらく観劇予定ありません。
次の記事は、先輩にお借りしている宝塚エリザベートBlu-ray(私の東宝エリザベートDVDと交換中)になるかなあ。

…と言いつつ、実は先週から仕事が突如繁忙期に突入していまして、舞台のことなんて考えている暇はないというか、ひたすら摩耗する毎日です。

いや、こういうときこそ舞台の力を借りるとき。ライオンキングのシンバよろしく「心配ないさ!」を胸に抱いてがんばります。

……心配しかない。

アラジン-四季劇場[海]

1月28日、ソワレで『アラジン』を見てきました。

■キャスト

ジーニー:瀧山久志/アラジン:北村 優/ジャスミン:三井莉穂/ジャファー:牧野公昭/イアーゴ:酒井良太/カシーム:西尾健治/オマール:町田兼一/バブカック:白瀬英典/王(サルタン):増田守人

【男性アンサンブル】
蔦木竜堂/田中宣宗/熊川剣一/中村 巌/深堀拓也/清川晶/水原俊/二橋 純/山下純輝/永野亮比己/渡久山 慶/廣野圭亮

【女性アンサンブル】
 小幡朱里/白川萌花/濱田恵里子/村上今日子/加藤久美子/相原萌/柏谷巴絵


2回めです。
『アラジン』はなかなかチケット取りにくいのですが、幸運にもチケットが取れまして。
今回の観劇旅行は完全にこれきっかけです。

個人的な注目ポイントは、"ジーニー"と"魔法の絨毯"と"友情"です。順に説明します。



ジーニー

舞台版は青くありません。

見どころはたくさんあるものの、ジーニーの魅力 =『アラジン』の魅力、と言っても過言ではないと思います。

これがねえ、魅力的なんです。


一番の見せ場はなんと言っても"理想の相棒 フレンド・ライク・ミー"。

約8分間も歌い踊るビッグナンバーで、構成はジャズダンス・マジック→ラテンダンス→ディズニーの名曲を熱唱→タップダンスという盛りだくさん具合(ヒルナンデス情報)。

気付いたら人も物も舞台上にどんどん増えているし、めまぐるしく場面も変わるし、花火もバンバン吹き出すド派手なナンバーです。否応なしに観客のテンションも上がります。

名曲熱唱では、美女と野獣やらリトルマーメイドやらポカホンタスやらをメドレー的にいい声で歌ってくれます。私もアンサンブルみたいに「ヒュー!」「ブラボー!」って声かけたい。

そういえば、曲の冒頭でジーニーが「ビビデバビデブー」ってコールしたら、「ビビデバビデブー!」って元気にレスポンスしましょうね。
観客参加大事です、声出していきましょう。


他にも、3つめのお願いの場面は映画以上に胸がギュッとします。


今回も瀧山さんのジーニーが見られましたが、最高でした。
元オペラ歌手という抜群の歌唱力といい声に圧倒されるし、セリフ回しの間合いも絶妙。
正直、瀧山さん以外のジーニーは想像がつきません。はー、好き。



魔法の絨毯

アニメと違って人格は無く、完全に「絨毯」です。

美女と野獣』だと絨毯(というかドアマット)も人が演じていて、アクロバティックなダンスを披露してます。
ドアマットは元々人間だし、魔法の絨毯は人を乗せて空を飛ばなきゃいけないから、この違いは当然か。

『アラジン』は「ジーニー」というスペシャルな存在以外は、現実的なキャラクター構成になってますね。後述しますが、サルのアブーもオウムのイアーゴも人に置き換わってます。


話を戻して、魔法の絨毯は本当に空を飛びます。同一線上だけじゃなく、舞台上を縦横無尽にくるくる飛びます。
ワイヤーなんてもちろん見えないし、あれ本当にどうなってるのかな……。

初めて見たときは絨毯の仕組みばかり気にしてしまって、せっかくの"ア・ホール・ニュー・ワールド"のデュエットはほとんど聞いていませんでした。
「飛んでる!」と思ったら深追いせず、ちゃんと歌を聴いてたほうが楽しいと思います。
ちなみにクライマックスで宇宙にまで飛び立つんですけど、演出とはいえ、そこまでは飛ばないよね。


『アラジン』は空飛ぶ絨毯以外も舞台セットが派手で楽しいです。

アラジンがパンを盗んで街中を逃げ回るときに建物がニョキニョキするところが好き。魔法の洞窟の金ピカな感じが豪華。王宮のアラベスクが美しい。

加えて、全体的に原色がバシバシ効いています。鮮やかでキレイだけど目がチカチカして、ヘタすると酔う人いるんじゃないかしら。

オーバーチュアで幕にライトが当たると、オレンジが青へ、赤へ、紫へ、とどんどん色がかわって、幕の元の色は何色だったっけ?と迷子になってくるんですが、あれは何色なんでしょうか。誰か教えてください。



友情

アラジンとジーニーの友情はもちろん見どころだけど、それだけではありません。アラジンには町にもお友達がいます。

先ほどもちらっと触れましたが、アラジンのお友達はサルのアブーから、カシーム、オマール、バブカックという3人の人間に置き換えられています。

硬派で無愛想だけど、情に熱いリーダーのカシーム。
心優しくちょっぴり弱虫だけど、ここぞという時には力を発揮するオマール。
食いしん坊で、聞き間違い(放っておけ→ホットケーキって言った?のような)が多いけど、決断力があるバブカック。

このトリオ+アラジンはみんな仲間思いで、いい味出してます。

3人が、城の地下牢に閉じ込められたアラジンを助けに行くときのナンバー"危険な冒険"は最高に楽しくて、全編通して一番好きです。
城に向かうときの無駄なスローモーションや、城で衛兵と闘うときの雑なチャンバラにはぜひご注目いただきたい。

彼らは本当に「死ぬまで仲間」してくれそうだなあ、と思います。してくれたらいいなあ。


ちなみに、ジャファーの腰巾着のイアーゴも、オウムから人間になっています(割とオウムっぽいけど…)。茶々を入れつつ、ジャファーと息の合ったかけあいを見せてくれます。
今回このイアーゴの表情や演技がとても楽しかったなあ。

一瞬ヴァイオリンを弾く(振りをする)んですが、火10ドラマ"カルテット"の松田龍平さんよりそれっぽかったので書き添えておきます。




長くなってしまいました。。
写真も無いし読むの大変ですね。

が、主役に全然触れなかったので最後に少しだけ。


主人公アラジンは頭のよく回るいい奴。
演じる北村くんは人懐こい笑顔が爽やかな青年で、街のお姉さんの「つい助けちゃうのよ」がよくわかります。

ヒロインのジャスミンは知的で美しいし、動くたびに巻き髪がぴょんぴょん揺れるのがかわいくて好き。
三井さんのジャスミンはちょっと可愛らしすぎる(主に口元)のと、高音出てるけど喉閉まってるな〜という印象でした。



『アラジン』は今までの四季にないくらい"ザ・エンターテイメント"な作品だと思います。
仕事帰りにサラッと見て「あー楽しかった」って言って帰りたい。


なんだか東京ディズニーシー行って、アラビアンコーストでカレーの香りを感じたくなってきました。
誰か一緒に行きましょう。

ライオンキング - 四季劇場春

1月28日、マチネでライオンキングを見てきました。

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■キャスト

 ラフィキ:遠藤珠生/ムファサ:平山信二/ザズ:明戸信吾/スカー:本城裕二/ヤングシンバ:大東リッキー/ヤングナラ:林英美衣/シェンジ:川良美由紀/バンザイ:小原哲夫/エド:金本泰潤/ティモン:大塚道人/プンバァ:深見正博/シンバ:永田俊樹/ナラ:町 真理子

【男性アンサンブル】
前田貞一朗/南 晶人/菊地智弘/飯泉佳一/安斎恵太/伊藤綾祐/頼 雅春/塩山 力/沢樹陽聖/二村誠俊/鈴木智之/鎌滝健太/山本 道

【女性アンサンブル】
大岡 紋/海宝あかね/有村弥希子/森田江里佳/比留間利奈/山田志保/あべゆき/岩本有花/若松小百合/原田麦子/沙耶/井藤湊香/吉田千那津

 

 

3年ぶりくらいに見たけれど、記憶の5倍くらい面白かったです。なんなら冒頭のサークルオブライフで泣きました。

 

暗転からパッと照明がつくと、舞台上には大きな太陽が昇っていて、ラフィキが歌いだす。

客席の下手と上手のレイヨウが、会話をするように声を上げる。

舞台上では鳥やガゼルが行き交い、気付けばすぐ横の通路にチーターやゾウがいて、みんな舞台上へ集まっていく。

その中心には、プライドランドの王ムファサが生まれたばかりのシンバを従えていて、すべての動物はひれ伏して敬意を示す……。

 

今思えば、音楽や俳優の演技など全てが作用して、舞台上に「あふれる生命力」を体現しているのを感じたのかもしれません。

これぞ、ザ・ライオンキングと思った瞬間。

 

 

 その後は2時間50分があっという間。

それぞれ1時間以上ある1幕と2幕よりも、ひとりで過ごす幕間20分の休憩時間の方が長く感じます。

 

ザズのパペットが表情豊かすぎて操作方法が気になったり、

ムファサの包容力にうっとりして泣いたり、

スカーは悪役だけど憎めないけどやっぱり嫌なやつだったり、

かっこいいハイエナダンスに見とれたり、

プンバァの優しさに癒されたり、

子シンバからシンバへの成長に感動したり、

ティモンの見事なフリオチに笑ったり、

お茶目だけど意味深長なことを言うラフィキにハッとしたり、

祖国とシンバを思うナラの歌に心打たれたり、

シンバとスカーの対決にハラハラしたり、

それはそれは盛りだくさん。

 

 

そんななかで、今回すごく印象的だったのは、動物の造形と植物の表現でした。

ガゼルの群れは手押し車、鳥はカイト、ゾウは足1本に役者1人ずつ入っているし、キリンは首の根元に役者の顔があって手足は竹馬、などなど。

発想力がとんでもない。加えて、それを力強くしなやかに、体いっぱい演じている俳優たちの表現力もすごい。

俳優が演じるのは動物だけじゃなくて、植物もとても大事な役回り。サバンナで草原(=草役の俳優たち)が奈落から横一列にせりあがってくるのはすごい迫力だし、風に揺れる表現や、登場人物の場所の転換の表現も巧みだなあと思います。ジャングルの草はチャーミングで、もはやあの場面の主役だと思う。

 

 

そういえば舞台好きの元直属の上司が、ハクナマタタで子シンバから青年シンバになる場面で、休憩中に立てなくなるくらい号泣したそうで。

というのも、彼は地元に奥さんと生まれて間もないお子さんを残して単身赴任しており、「親がいなくてもこんなに立派に育つのか」と思ったら、もう止められなかったとのこと。

なるほどなあとそういう目で見てみたものの、泣くには至りませんでした。実感あるわけないものな。

どんな作品でもそうだけど、見る人の置かれた状況やその日の気分で見え方が変わるのも、観劇の醍醐味ですね。

 

 

 ライオンキングって子供向けでしょ、と敬遠している方もいると思います。正直なところ、私もそうでした。

でも日本で継続して18年間もロングランしている経歴は伊達ではなくて、「サークルオブライフ」という大きなテーマのもとに作りこまれたセットや衣裳、テンポよく進むストーリーは圧巻で、エルトン・ジョンの熱い音楽には体が喜ぶのを感じます。

とにかく、よくできているのは間違いない。

 

未見の方は人生経験のひとつとして、機会を作ってでも見てみたらいいのになと思います。

騙されたと思って、是非。(騙されたらごめんなさい。)

 

 

なんだか劇団四季のまわし者みたいになってしまいました……。

本当は火曜日にアップしたかったんですが、どんな風に書いていくべきかなあと考えていたら、もう木曜日。

今後はもうちょっと頑張ります。

commuovere

とは、「涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸が熱くなる」という意味のイタリア語だそうです。

ゆうゆうです。
趣味は舞台や映画を見ることです。

見たものと感想を備忘録としてまとめておける場所が欲しくなったので、ブログを開設してみました。

舞台はミュージカル、特に劇団四季が多め。
映画は洋画のヒューマンドラマが好きです。
ほかには、小林賢太郎さんを崇めています。

よろしくお願いします。