かんげき日記

舞台や映画を見ます。劇団四季が多め。

ビリー・エリオット〜リトルダンサー〜 - 梅田芸術劇場 メインホール

ご無沙汰です。
半年ぶりですか。時が経つのは早いや…。
舞台やら映画やらライビュやら、いくつか見てたんですが、ちょっとブログ無精しててすみません。
せっかくなので一言ずつまとめます。
ミス・サイゴンライビュ(3月):曲は好きだけどストーリーは苦手かも。カテコ豪華。
セラミュ恵庭(3月):初の2.5次元ミュでキャスティングの妙を体感。
髑髏城-花ライビュ(5月):シアターの作り意味不明すぎて面白かった。
髑髏城-鳥ライビュ(7月):5月に見た花と違いすぎて面白かった。
レミゼ帝国劇場(7月):最高。あらためて本を読み直したし(ジャベールの真っ直ぐで不器用な生き方が刺さる)、サントラは古いけど赤青借りて聴いてる(島田歌穂さんのエポニーヌ切ない)。
あとは毛色違うけど9月に東京03の単独公演自己泥酔見て豊本の不倫イジリネタが最高でした。ザマミロ。


11/3(金祝)ソワレ、梅芸で『ビリー・エリオット』見ました。
たまたまですが、前楽でした。

初めての梅芸メインホール。
大阪・梅田の駅の周りはいろんなビルが立体的に交錯している上に、どの歩道にも人があふれていて、スーツケースを引きながら劇場に向かう道中、開演に間に合わないんじゃないかと死ぬような思いでした。


※画像は全て公式HPより

【キャスト】
ビリー:木村咲哉/お父さん:吉田鋼太郎ウィルキンソン先生:柚希礼音/おばあちゃん:久野綾希子/トニー:藤岡正明ジョージ:小林正寛/オールダー・ビリー:栗山廉/マイケル:持田唯颯/デビー:夏川あさひ/トールボーイ:笹川幹太/スモールボーイ:桜井宙/バレエガールズ:チームベッドリントン(遠藤美緒、大久保妃織、佐々木佳音、高畠美野、新里藍那)

◼︎アンサンブル
森山大輔/家塚敦子/大塚たかし/加賀谷真聡/北村毅/佐々木誠/高橋卓士/辰巳智秋/橋本好弘/羽鳥翔太/原慎一郎/丸山泰右/横沢健司/木村晶子/小島亜莉沙/竹内晶美/三木麻衣子/秋山綾香/井上花菜/出口稚子


【あらすじ】(梅田芸術劇場HPより)

バレエとの出会いが、少年の運命を変える。

1984年の英国。炭鉱不況に喘ぐ北部の町ダラムでは、労働者たちの間で時のサッチャー政権に対する不満が高まり、不穏な空気が流れていた。数年前に母を亡くしたビリーは、炭鉱で働く父と兄、祖母と先行きの見えない毎日を送っていたが、偶然彼に可能性を見出したウィルキンソン先生の勧めにより、戸惑いながらも名門ロイヤル・バレエ・スクールの受験を目指して歩み始めるようになる。息子を強い男に育てたいと願っていた父や兄は強く反対したが、11歳の少年の姿は、いつしか周囲の人々の心に変化を与え…


今回の席はA席で2階の中央左ブロック通路後ろ。舞台前場をギリギリ含んで全体が見渡せる席で、見やすかったです。
プロセニアムの下手側が奥に少し下がり舞台のヘリに対して斜めに設置されていたので、中央左ブロックからはちょうどその枠が正面に来るかたちでした。

泣いた場面の話

何年か前に映画DVDも見てたものの、正直あまり泣くイメージがありませんでした。
が、結果的に1幕で1回、2幕で3回くらい泣きました。
久野綾希子さんと柚希礼音さんを見よう、あとはきっとダンスがすごいんだろーな、くらいの気持ちで行ったのが恥ずかしい。


1幕で泣いたところ


ロイヤル・バレエ・スクール受験用のダンスを作るため、自分を表すものを持ってきて、とウィルキンソン先生に言われたビリーが持って来たのは、亡きお母さんからの手紙。
18歳のビリーに宛てて書かれた手紙を「ちょっと早く読んじゃった」ビリーは、ウィルキンソン先生が音読する先を淡々と話していきます。
文面を全部覚えるくらい繰り返し読んだんだなあと思ったら、その瞬間に泣いてました。


2幕で泣いたところ

  • オールダービリーと踊るうちに、ビリーが宙を舞う場面


受験は家族に反対されて会場にも行けず失敗。
後日、誰もいなくなった福祉会館でひとり踊るビリーにオールダービリー(未来のビリー)の姿が重なっていく。
このダンスを見て、お父さんはビリーの夢を応援しようと思い直します。
スモークと照明が幻想的で、美しい、と思いました。
演出的には隠してないのに、なぜかフライングワイヤーを着ける瞬間に気付いていなくて、急に浮き上がったように見えて驚きました。

  • ビリーがオーディションで「まるで電気」が走ったように弾けて踊る場面


面談で審査員に「踊っているときには、どんな気持ちになる?」と聞かれたビリーの返事が表現されます。
答えを探しながら「こんな感じ」に行きつくまでの気持ちがつづられていて、踊ることが好きで、今の自分のすべてなんだ、っていうのが伝わってきて、胸がいっぱいになります。

受験の合格と、入学のための出発を報告に来たのに、ウィルキンソン先生は素っ気ない。
ビリーにとっては恩人のウィルキンソン先生からの、今まで教えたことは全て忘れなさい、という言葉は重くて深い。

  • ロンドン・バレエ・スクールへ出発前に、ビリーがお父さんに抱きつく場面


ビリーとお父さんはずっと気持ちがすれちがっていたので、ハグするのはここが初(たぶん)。親子の絆が戻ってきてよかったね、と思いました。

  • ビリーがマイケルのほっぺにキスする場面

門出を見送りに来てくれた親友マイケル。バレエ教室に通い始めたビリーのほっぺにマイケルがキスする場面があるのですが、その返事ですね。


……2幕は5回泣いてたのか。カウントがガバガバです。


子役がすごいという話

いや、それにしても、子役をナメたらいかん、と思いました。

こんなに子役を信頼して舞台すべてを任せるって、本当にすごいこと。
わたしがよく見る劇団四季にだって子役が出る演目はあるけど、子役だけで舞台が進むことなんて全然ないものな。

双方の演技力にそこまで差があるとは思わないけど、強いて言えば子役本人とカンパニーの覚悟が違うのかなあ。

1幕の最後、お父さんとお兄さんに妨害されてオーディションに行けなかったビリーの怒りと衝動を表現したナンバーは、正直段取り芝居っぽかったです。
でも、人の気持ちを動かすというのは、必ずしも演技力とか辻褄とか、そういうことだけじゃないんだなと思いました。

私自身、無意識のうちに子役のことを「所詮、子役」だと思って、勝手に上限を決めて見てたんだなと気付いてショックでした。


子役のオーディション

ビリー・エリオット』の上演にあたっては、何よりも主人公のビリーを演じる子役がいるか?っていうのがネックだったと思うのですが、そのためにビリーカンパニーは1年以上の時間をかけてオーディションと育成をしています。

2015年11月から募集開始 → 1,356名の応募から、書類審査で450名に → 2016年4月のオーディションで10名に → 5月からレッスン開始 → 8月に3次審査で7名に → 12月に最終4名が決定 → 開幕する7月まで稽古
という流れ。

稽古期間が半年程度なのは、『ライオンキング』も『アニー』もそのくらいみたいなんですが、選考期間にレッスンを用意して伸びしろを見てくれるところが素晴らしいと思いませんか。


そもそも、今回舞台版見ようかな~と思った最初のきっかけはそのオーディションに知り合いのお子さんが残っていたからなのでした。
残念ながらその子は最終で落ちてしまったのだけど、その子バージョンも見たかったな。



個人的によくなかった演出とよかった演出の話

ダーラムっていうのはイギリス北部の田舎で、本国の映画でも舞台でも、もともと訛りのある設定。日本版はなぜか博多弁になっていて、申し訳ないけれど、これは正直イマイチでした。

冒頭プロジェクターで白黒テレビが流れて、サッチャーがどうとかいう映像と英語音声が流れているのに、舞台が始まったら大人たちが急に博多弁を話していることの違和感がすごかった。せめてニュースが日本語(標準語)だったらイメージが違ったのかもなと思います。
加えて、ビリーとウィルキンソン先生、町の子どもがあんまり博多弁っぽくなかったのもよくなかった原因かな。

関連して、舞台版の『ライオンキング』を思い出しました。
ティモンとプンバァはセリフに上演地のご当地弁を取り入れているんだけど、あれも他のお客さんには、今回私が感じたような違和感を持って見られているのかな。
ライオンキングは標準語を話す王国との対比がわかりやすいと思っているんだけど、私が慣れちゃって何も感じなくなっちゃっただけなのかな?
ちょっと気になりました。


反対に、私が好きだった演出。

  • 1幕のビリーのバレエ教室通いの場面。


町の荒れる炭鉱ストライキと、平和なバレエ教室の様子が、同じ舞台のなかで入り混じりながら演じられています。
どちらが日常でどちらが異質なのか、だんだんと分からなくなってくるけど、それでも毎日が過ぎていく。
上手だなあと思いました。

  • 2幕の最後でロンドン旅立つビリーを町の人たちが見送る場面

最初はバレエなんてゲイのやることだとバカにしていたはずの町のみんなが、いつしかビリーを応援して、オーディションと生活費のカンパまでして。そのみんなに見送られて、ロンドンへ旅立つビリー。
ストライキが失敗に終わった炭鉱夫たちのヘッドライトを残して、周りは暗転。
ヘッドライトは炭鉱夫の象徴でビリーにとっての原点だし、一方ではダンサーとして舞台に立ったビリーを照らす舞台照明のようで、これから先目指して行く場所を暗示するようでもあり。示唆的で、舞台的で、とてもよかったです。

そして明転して、舞台を降りて客席側を歩き出したビリー。見送りに来たマイケルの元に駆け寄って、何も言わずにほっぺにキスして別れる、ポエムみたいな幕切れ。
女の子の服に興味があって、お姉ちゃんの服を着ながら、自己表現することの楽しさを教えてくれて、ビリーを明るく勇気付けていたマイケル。オカマじゃないよ、と言っていたけど、ビリーのことは大好きだったよね。
静かでセンチメンタルな終わり方が、すごく好きでした。


*****

今回、ビリー・エリオット観に行くんです〜と話したら、会社のお姉さんが舞台版のブルーレイを貸してくださいましたが、予習する時間が取れませんでした。
今やっとブルーレイを見ながらこれを書いてますが、抜けてる場面もあるということに気付きました。
ビリーの実技審査の場面、どうしてカットしちゃったのかな。
マイケル、自分をオカマだって認めてるな(日本版は私が聞き間違えたのかな…)。
やっぱりちゃんと予習してから見るんだった。


ともかく、舞台がとてもよかったので、復習がてら映画を見直そうと思います。
課題図書山積みで、ちゃんと消化できるかどうか不安ですが…(モーツァルト!×2と、ライオンキング2-3、キンプリ、他)。


次は、今日か明日の午前中までに、舞台「キング・オブ・プリズム」の備忘録をまとめたいです。よろしくお願いします。